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2016年1月30日土曜日

Brine

ブライン

肉を塩水に浸けて柔らかくするテクニック。
長時間のSVで肉汁が出てパサパサになってしまう問題への対処法を探して発見しました。

このページがとても科学的に説明してくれている。
よくある間違いにも触れているし、軽く翻訳しときます。



ブラインとは何か、どういう原理なのか?

食品、特に肉を塩水に浸ける手法。
ブラインした食品には主に3つの恩恵がある:
  • テクスチャの改善。とくにタンパク質をブラインした場合に大きい。
  • 香り付け。ブラインに使う塩だけでなく、同時にスパイスやハーブを浸かって香りつけできる。
  • 最大の理由は湿り気の維持。

ブラインでは何が起こるのか?

よくあるブラインの説明は、浸透(osmosis)のプロセスによって水と塩がタンパク質に移動するというもの。だがしかしこれは正しくない。ブラインは浸透ではなくて実は拡散(diffusion)によるもので、この区別を把握することは、ブラインの原理を理解するために重要である。

気体を真空の箱の隅に入れたら、箱いっぱいに広がっていくであろう。
十分な時間があれば、分子は密度の高いところから低いところへと移っていき、平衡に達する。これが基本的な拡散の動作である。

溶媒(水溶液の液体)は通すが溶質(水溶液に溶けてるもの)は通さない半透膜で隔てられた、濃度の異なる溶液があるとする。高濃度の溶液は溶質が多く、溶媒が半透膜を通る邪魔をする確率も高い。結果的に、濃度の低い側から高い側へと移動する溶質の量が多く、濃度は平衡へ達する。

また、浸透が起きていたならば、次の二つのことが起きているはずである。
溶質、つまり溶けている塩は大きすぎて浸透膜を通れない。が、私たちはこれは正しくないことを知っている。なぜなら肉の中身は明らかに塩味がするのだ。

二つ目。塩がタンパク質の外にある膜を通過できないならば、つまり浸透現象が起きているのならば、ブラインされた肉の中の水は、濃度の高い外のブライン液に流れ出るはずである。私たちはこれは正しくないことを知っている。なぜならブラインされた肉はよりしっとりとしているのだ。

簡単な観察から分かるように、ブラインをすると水も塩も肉の内部へと入り込む。ブラインでは浸透ではなく、拡散が起きていると結論付けられる。


ここにきて、ごく自然な疑問が浮かぶ。「香り付けは措いておくとして、何で塩が必要なの?拡散で水が肉に移動するのなら、水だけに浸せばもっとジューシイになるんじゃない?」

技術的に言えばそれでも可能である。
肉を単なる水に浸けて、肉の中の水分を増やすことはできるのだが、塩を加えた時ほど多くの水は足せない。はっきり言うと、調理過程でのタンパク質の保水能力は、塩があったほうが高い。
なんでこんなことが起きるのかは大変面白い。ここのところをさらに深く説明していこう。


ブラインのプロセスを理解する

ブラインのプロセスを理解するために、よくあるシナリオから始めよう。
骨も皮も無い鶏胸肉をブラインすることを想像してほしい。
ブライン液を作るために、塩を水に加える。

塩と言っているものは、化学的には塩化ナトリウムである。
塩が水に溶けると、正に帯電したナトリウムイオンと、負に帯電した塩化物イオンに分離する。
ナトリウムイオンは香りの主成分である。塩化物イオンはタンパク質の保水力を上げる。

次に、ナトリウムイオンと塩化物イオンが食物の中へと拡散していく。
この拡散は熱が伝わる速度よりも100から1000倍時間がかかる。
これが、豚バラ肉を焼くのにはせいぜい数時間ですむが、塩漬けしてパンチェッタにするのに三ヶ月もかかる理由である。

ナトリウムイオンと塩化物イオンが鶏胸肉中へと拡散していくと面白いことが起きる。
「塩化物イオンは筋繊維へ拡散していき、糸の表面に溜まっていく。
付着したイオンが増えていくにつれて負電位を生じ、隣の糸との間に斥力が生じて離れていく。
糸同士が離れて筋繊維が膨らむと、その空いたスペースに水が入り込む。」

上で言ったように、単なる水に浸けた肉よりも、塩水に浸けた方が保水力が高いのはこのスペースのせいである。
さて、もう一つ疑問が浮かぶ。
塩を擦り込んだのとブラインしたのの両方共ジューシイになるのはなんで?
実は、料理のドグマとして言われているところの、調理前に塩揉みした肉は大量の水気が出てきて乾燥した出来になってしまうというのは真実ではない。

単に間違っているだけではなく、タンパク質に塩を入れた時に起きることは全くの逆のことである。
「…入り込む水が周りに無い場合でも、水をより保持できるようにイオンによってタンパク質は変性する。筋繊維が縮むのに抵抗するのと同じように、調理中に水分を絞り出されるのに抵抗する。肉の膨張と保水力の向上は、塩分濃度6%まで続く。そこからは縮んでしまい、水も失っていく。」

よって、6%未満の塩分であれば、肉は調理中に縮んだり水を出したりしにくい。
現実的には、平均的な閾値は重量に対して 1%ほどである。 
5-6%の塩分のあるタンパク質が調理中に水分を維持するとしても、別にそこまで塩分を含ませる必要はない。


3つの主要なブライン方法


ブラインのプロセスについて理解したところで、様々なアプローチについて考えていこう。
学んだことによれば、タンパク質に塩を適用するのに使える 3つの主要な方法がある。

塩もみ乾燥ブライン

最初の方法は手揉みでの「ブライン」である。
前節で見たように、単に塩を含めるだけで保水力を高めることができる。ブラインが保水力を高めるのとまとめて扱って、乾燥ブラインと考えよう。

とりあえずは、タンパク質の重量に対して1%の塩をまぶせばいいだろう。
塩を揉み込んである程度の時間寝かせておき(4-48時間)、洗い流さずにそのまま調理する。
このやり方は保水力を高めて水分の流出を抑えて湿り気のある出来栄えにするが、もちろんタンパク質はちゃんと調理する必要がある。



勾配ブライン(伝統的なやり方)

次は伝統的な勾配のあるやり方を考える。
勾配というのは、塩分濃度が外側のブライン液から食品内部にかけて滑らかに下がっていくからである。
この方法を使う場合、典型的には水分量に対して 5-10% の水を使い、食品はブライン液中に 15分から数日おかれる。
外側は塩分濃度が高いので、ブラインが終わったら洗い流す。

洗い流した後はしばらく休ませて、拡散によってイオン濃度が平衡していくのを待つ。
十分に休ませたら(一般的には数時間から一晩)、だいたい平衡に達しているはずである。
これは調理後に熱が平準化するまで待つのと同じ理由である。
拡散は熱伝導より 100-1000 倍遅いので、調理後の熱を伝えるためには 5-30分ほど休ませるのに対して、ブラインの後は 2-24時間かかるのである。


平衡ブライン(モダニスト料理)

勾配ブラインが高温のオーブン調理で時間調整と直感が必要とされるのに似ているように、平衡ブラインはスービードでの温度管理の簡易さと対比できる。
スービード調理のように、平衡法は長い時間がかかるが、より精密なやり方であり、同じ結果を得るために「直感」を排除することができる。
ブライン液の塩分量は、タンパク質内部の到達する濃度と正確に同じだけであり、ブラインし過ぎことはあり得ない。

平衡ブラインのやり方

  1. 水と肉の重量を測り、骨の重さを引く。塩は骨には拡散しないので。
  2. 水と肉の重量の和に、最終的にタンパク質が含むべき塩分濃度をかける(大体は 0.5%-1% でいい)
  3. 求めた量の塩を水に溶かし、そのブライン液に肉をひたす。
  4. 塩分濃度計でブライン中の塩分濃度を測る。塩分濃度が求めたい濃度より下がったら、食物とブライン液は平衡に達したと判断できるので、ブラインは完了である。


ブライン液の塩分濃度の決め方

勾配ブラインでは水重量に対して求める塩分濃度を掛けるけど、平衡ブラインでは水とタンパク質の総量に対して掛ける。この違いの理由について説明がある。省略。


ブライン液の追加素材とブラインの速度アップ

省略。

注射器使うと速いよ。













2016年1月29日金曜日

brine + sous vide 牛モモのローストビーフ

牛モモ

仕事の関係でだいたい0時過ぎに近場のハナマサに寄っても目ぼしい肉は売り切れちゃって。
牛モモは大体売れ残ってるので、SousVide で美味くできないかと何度か挑戦中。
ただ長時間(24時間超)やるとパサパサになって食えたものじゃないのですわ。

何とかならんかとネットを漁ってたら見つけましたよ Equilibrium Brine, Sous-vide, and the World's Best Roast Beef !
究極のローストビーフを求めて42ページにも及ぶレシピメモを残した著者がその42ページ目に "Wow" という言葉と共に記した簡潔なレシピというから興味をそそる。

さて乾燥問題は解決されるのか、味付け部分は適当にスルーして試してみましたよ。


材料

  • 牛モモ - 適量
  • 水 - 肉が浸るくらい
  • 塩 - 水と肉を足した重量の1%






レシピ

1. 肉を適当な容器に入れて、肉を完全に塩水で浸す

塩の量は肉+水の重量の 0.5-2% 程度。
1%でやりました。




2. そのまま冷蔵庫で放置(Equilibrium Brine)
時間は Brine が達成されるまで…
元ブログだと 5ポンドで5日とか言ってるので、500グラムなら1日あればよいであろう。

Brine には Equilibrium 以外のやり方もあるので、時間や濃度は手法に合わせてで。


3. Brine 終わったら水洗いして表面の塩分を落とす

4. パック。
一緒に色々入れているな。
  • beef tallow って牛脂?無いのでバターで代用
  • beef bone mallow …骨髄? 無いのでスルー。
  • yellow onion もパス。
  • smashed = 潰したニンニクを 3片…肉が少ないので2片。
  • ブラックペッパーの ground …は挽いた粉末かな。パウダーがあるので大さじ1
  • タイム…も無いのでローズマリー片を適当に。
入れてジップロック空気抜き。



5. SVる。56℃48時間。

ニンニクの匂いが充満するので換気扇。


6. SV終わり。水洗いしてローズマリーを流し、そのまま少し冷ます。



7. トーチで表面焼き。また少し冷ます。




8. この間にグレイビーソース。
ジップロックに残った肉汁とバターに、ワインとコンソメ粒を入れて適当に味付ける。
小麦粉少し足してとろみを付けて完了。

ってグレイビーソースってよく作り方分からんのだよな。

9. 冷ました肉を薄切り。


熱の通りは問題無いとして、水分はどんな感じかねぇ。
ちょっと湿ってるようだぞ。



10. いただきます


キタ!美味い!

ソース無しでも、以前のように(ブログやる前)パサパサで食べるのがきついってことはない。
ジューシイとは言えないがしっとりとしてる。

味は赤身肉の獣臭が少し。ブラインの塩味は分からないな。バターの香りが少しする。

切れない筋繊維は全く無し。
普通に歯ごたえがあり、噛めばすんなりと切れる。
ハムやベーコンよりは柔らかいな。

ソースも美味し。
つけて食べるといくらでも食べられるわこれ。
これは成功と言っていいんじゃないの。

水気はブラインのおかげかバターバスのおかげかどっちだろう。
バターには半分くらいしか浸かってなかったからブラインが大きいのかな。
次回はブラインのみ、バターバスのみで比較してみよう。





真空調理 / 低温調理 / sous vide / のススメ

sous vide

フランス語で真空調理法。
1979年にフランスで~という話はおいておいて。

数年前にアメリカで安価な sous vide マシンが発売され、そこそこ流行っているようです。
当初からは随分簡略化されまして、定温に維持した水槽に脱気パックした素材を入れて加熱する調理法となりました。
こんなやつ。





発音もアメリカ発音で、カタカナで書くとスーヴィードという感じかな。
フランス発音は知らん。
日本語での検索キーワードは、スーヴィード、スービークッキング、真空調理、低温調理、定温調理、あたりで。


真空調理というより、定温調理や低温調理といった方がイメージに合うのではないかと。

ちなみに、元々の真空調理の真空(低圧)を活かした調理法も別に発展しています。
減圧を利用して液体を染み込ませるスー・ヴィード・カクテルなんかもあります。

スー・ヴィードの名は君たちにこそ相応しい。
僕はスビドるでいいですw


sous vide の基本と原理

sous vide のポイントは二つ
  • 一定の温度を保った水に
  • パックして空気を抜いた食材を沈める
それぞれ理由があります。

温度を保った水 (恒温水槽)

ここで重要なのは、温度を保つことです。
sous vide はあくまでも手段。目的としては例えば肉を62℃で調理したい、というものです。
ここで62℃というのは様々な理由があるのですが、それは各素材個別の理由になりますのでここでは深追いしません。

従来の加熱調理、例えばフライパンで焼く、沸騰した水で煮る、オーブンで焼く、等々で肉の中を62℃にしようとするとかなり大変です。
フライパンで焼いて表面に肉汁が出てきたらとか、オーブン200℃で5分焼いて15分冷ます、など、精確に描写しにくいレシピになります。しかも肉の厚みや気温・湿度によって変わってくるので熟練の経験の世界です。そして頑張って肉の中心温度を62℃にできたとしても、表面温度は80℃とかになってしまう。

sous vide ではこのアプローチを変えます。
62℃の水を用意し、そこに食材を入れる。
そのまま時間が経てば、熱伝導の原理により食材は外側から中心まで62℃になります。63℃になったりしません。
媒体は水でなくてもいいのですが、扱いやすさ、温度管理のしやすさ、熱伝導率の高さなどから水がとても適しているので使われています。


パックして空気を抜く

パックする理由は、水が調理に影響を与えないようにするためです。
そのまま入れたら煮込み料理になっちゃいますから。

空気を抜くのは、空気の熱伝導率が低くて効率が悪いからです。
10倍とか時間をかけてもいいのなら空気パンパンでもいいです。というかそれなら水じゃなくて空気を媒体に、つまりオーブンを使えばよいです。

空気はある程度無くせばかまいません。
真空調理といいますが、この真空は科学的に言う完全真空のことじゃありません。単に大気より空気が薄いことです。
調理に問題がなければ液体を入れても構いません。オイルや調味料を入れて味付けをしつつ sous vide 調理するのはとてもよくある手法でもあります。


sous vide のための道具

上に書いたように、sous vide の基本の二つを実現するためのそれぞれの道具があります。

恒温水槽

手動

もっとも追加投資が不要なやり方は、手動での温度管理です。
鍋に火をかけて温度計を入れる。温度計を見ながら、火を付けたり弱めたり消したりするだけです。
要求される温度幅が広く、かつ時間も短いレシピなら現実的に可能です。
sous vide のお試しによいでしょう。


炊飯器(保温モード)、スロークッカー、ヨーグルトメーカー

これらの調理器は、温度変化を小さく維持する機能を備えています。
レシピの要求する温度幅を満たせるならば、これらを利用することもできます。

炊飯器は多くの家庭にあるでしょうからお試しに良いでしょう。
ただ結構温度変化するので、とくに食中毒の危険温度にならないよう気をつけてください。

ヨーグルトメーカー、とくにヨーグルティアという製品はかなりの精度で温度を維持できます。
価格も7千円前後、と sous vide 用デバイスに比べると安いので一歩進んで本格的にやってみるには良い選択かと思います。

sous vide デバイス

ヒーターと温度計、温度を調節する仕組み、そして温度差を無くす撹拌器から構成されます。

anova precision cooker などの棒状のものや、sousvide supreme などの容器状のものがあります。
まだ日本で販売している製品は無く、個人輸入になってしまうのでハードルは高いかもしれません。
価格的にも、輸送費や輸入マージンを除いても棒状のものは百ドルちょっと、容器状のものは数百ドルとそれなりになります。

ある程度大きなサイズで使えますので、大量に sous vide するようになったら検討してみてください。
また、1℃未満の温度差で維持してくれますのでより精密な調理が可能となります。
仕組みは単純なので、日本のメーカーも開発してくれるといいんですけどね…。見てたらぜひともお願いします。


腕に覚えがあれば自作することもできます。
何人か作り方や温度調整プログラムを公開されてますので調べてみてください。
ただ、撹拌機能は省いているようですので、あまり大きな水槽だと温度差が出ちゃいそうです。


水槽

水が入ればなんでもいいです。
お手持ちの鍋でも、プラスチック製のフードストッカー、ガラスの水槽からはたまた風呂桶でも。

食材に直接水は触れませんので、危険性はあまり考慮しなくて大丈夫です。
もちろん対象温度で溶けちゃうような素材ではダメですが。

また、sous vide デバイス毎に対象となる最大容量がありますので、それを超えてもいけません。

個人的なお勧めは、透明なプラスチックケースです。
調理中の食材を容易に確認できますし、アクアリウム用のダミー水草などを入れると見た目も映えます;-)

パック

ziplock などの調理用密閉袋

袋に入れて空気を抜きます。
袋は密閉できれば何でもよいですが、レシピの水温に耐えるものを選びましょう。
また、sous vide 後にそのまま冷凍保存する場合は当然ながら耐冷なもので。

素材の水気が出ますし、温度によっては雑菌が繁殖しますので、再利用はお勧めしません。

空気を抜くにはストローなどで吸引するか、水に浸けてアルキメデスの原理により空気を追い出すかでよいです。




脱気シーラー

真空パックとか脱気シーラーとか呼ばれる製品群。
sous vide 用というよりは、素材の保存目的で使われることが多いです。

コンパクトタイプで数万円、チャンバータイプで十万円クラスです。

チャンバータイプは高性能なのですが、いかんせん高いし場所も取るので現実的とは言いがたい。
コンパクトタイプは手動よりもシールも脱気も確実で良いのですが、水分をうまく扱えない欠点があります。



密封ビン

infusion やヨーグルトなど、液体を sous vide する場合にはビンも使えます。

胴部分だけ水に浸すなら蓋が開いているタイプでもよいですが、手間なのでお勧めはしません。
密封できるビンの方が楽です。

自分はちょっと前に流行ったメイソンジャーがあるのでそれを使っています。


オススメ料理

個人的オススメはサーモンです。
時間が短いし多少温度前後しても問題ないので、SV機買う前に手動で試してみるにも打って付けです。
そして出来上がりはあまり食べたことある人少ないのではという美味と食感。
sous vide ってどんなの?と疑問の方は一度試してみてください。

肉も sous vide の例として有名なのですが、熟練の経験で同じくらい上手に焼けますし、自分でレア焼きに挑戦したことのある方でないと分かりにくいかもしれません。

少しマニアックですが、infusion も手軽でおすすめです。
オリーブオイルにガーリックや、グレープジュースにカルダモン、ウォッカにレモンの香りつけてみましょう。



sous vide ヨーグルト

ヨーグルト

発酵調理は、菌の増殖しやすい環境を維持するのがキモ。
その環境が40-80℃程度の温度を維持するものの場合、それは sous vide の得意技です。

ヨーグルトの場合、菌種にもよりますが 40℃くらいなので大抵の SV機で対応できるはず。
嫌気性とかにも気をつけて。


材料

  • 牛乳
  • ヨーグルト 50-100cc
成分無調整とか低温殺菌とか、牛乳の類は色々ありますが、一応どれでもできるみたい?
自分は普通の高温殺菌の牛乳使ってます。

ヨーグルトは固形でも液体でも種菌でも。

レシピ

1. 容器を煮沸消毒。

ヨーグルト菌の適育温度は多くの雑菌の繁殖温度帯でもあるので、なるべく雑菌を減らしといたほうがよい。
煮沸消毒してますが、どうせヨーグルト菌優勢で始めるので洗う程度でも大丈夫だとは思う。



2. 必要ならば牛乳を殺菌

僕はやってないですが、気になるならどうぞ。
80℃で30分くらい?
殺菌終わったら常温まで戻すのを忘れずに。



3. 牛乳とヨーグルトを容器に入れて混ぜる

液体タイプのヨーグルトだと混ぜるのが楽。

菌のタイプによって空気に触れると死ぬ奴も空気が無いと殖えない奴がいるので悩みどころ。
空気を完全に遮断するのは難しいので諦めて、数センチ空気層があるくらいにしてます。

空気の膨張や発酵中の放出があるので、蓋はきつく締めすぎない。
メイソンジャーの場合、一度締めてから少し戻して軽く締め直すくらいが良いです。内蓋もあるのでネジ蓋の方は多少緩くても大丈夫。



4. SVる。42℃で6時間~

軽く振ってみて固まったらok.
試食してみてもよし。発酵時間経つほど酸味が増す。

今回は夜セットして寝てで12時間弱でした。



5. 固まったら冷蔵庫で冷やす

温度を下げて発酵を止めるのです。



6. 出来上がり

12時間は長かったかちょっと酸っぱかった。
マーマレードジャムかけていただきます。





2016年1月27日水曜日

sous vide サーモン

サーモン

サーモンは sous vide 調理のスペシャリテの一つと言ってよかろう。

サーモンの刺し身は脂のっていて旨いけど、固さと冷たさが気になる。
それがSVだと崩れるほどに柔らかくジューシィで、ほっとするちょうどよい温かさなわけですよ。

定温は30分ほどですむので、頑張れば手動の温度管理でもやれるから試してみるといいぞ。


材料

  • 刺し身(生食)用サーモン
  • 5%塩水 サーモンを浸せる量

最高50℃と雑菌を殺せない温度でしか調理しないので、サーモンはパスチャライズされた安全なもので。
調理も雑菌が繁殖しないよう手早くすませましょう。一般的な目安としては、危険温度帯にトータル二時間以内。


レシピ

0. SV を 50℃にセットして温め始めとく。

1. 5%の塩水を作って常温にしとく。
最初に水半分を軽く温めて塩を溶かし、もう半分加えて冷ますとよい。

手持ちの鍋のサイズに合わせて、サーモンが完全に浸る程度の量で。
自分は400cc水を温めて40g塩を溶かし、360ccの水を加えて冷ましてます。



2. サーモンを一口サイズに切る。
切らなくてもいいけどお好みで。

3. サーモンを塩水に30分ほど浸す。
brine って手法です。浸す時間と塩水の濃さは適当に調整してください。
保水力を高めるとともに、サーモンの場合はアルブミンの流出を抑えるらしい。

4. サーモンを水洗いして表面の塩水を取る

5. SV. 50℃30分。
40℃1時間でもいいみたい。要検証。


6. 完成


アルブミン(白いやつ)がまだ出てしまった。
もうちょい brine した方がよさそう。

味はほんと美味しいです。
醤油付けてもいいし、そのままでもいける。







sous vide 牛バラ

牛バラ

アメリカのSVサイト見ていると、SVの基本レシピといっていいものの一つに「brisket を長時間」というのがある。
ブリスケットって近場じゃ全然見ないのでスルーしていたんですよ。もちろん探せば売ってるだろうけどさ。
今日近所のハナマサに行ったら、牛バラが売っていた。これか?


材料

  • 牛バラブロック 500g

素の調理加減を見るためにこれだけで。



レシピ

1. 脂肪の塊を取り除く。薄い脂肪があったらトーチで焼いてしまう。



2. SVる。56℃ 24時間。

3. 完了。
帰宅したら油の匂いが部屋に充満、てほどではないがしていた。
換気扇回しとくべし。

そのまま水に浸けて少し冷ます。




4. トーチで表面を焼く

5. 切り分ける
色は良さげ。乾燥もしていないようだ。


6. SV中に出た肉汁でグレイビーソースを作る

7. いただきます
グレイビーソースは失敗したのでクレイジーソルトで。



味はまぁこんなもん?
素だと味気ないけれどクレイジーソルトで美味い。
この部位はローストビーフよりはステーキの方が良さそうだなー。

何本か噛み切らないとならない筋繊維が残っていたのでSV時間足りなかったか。
水っぽさは保っていたので、以前やった牛モモより長時間に強いみたいね。








2016年1月25日月曜日

sous vide アップルパイバーボン

アップルパイバーボン

sous vide infusion 本に載っていたレシピ。
「温かいアップルパイ以上にアメリカ的なものはバーボンしかない。ならば組み合わせない理由があろうか!」だそうです;-)


材料

甘いリンゴ 2つ
シナモンスティック 3本
バニラビーン 1本
ナツメグパウダー 小さじ1
オールスパイスパウダー 小さじ1
生姜 1片
バーボン 2アメリカカップ(500ml弱)

レシピではナツメグとオールスパイスはホールだったけど無かったのでパウダーで。
出来上がりに香り足りないようなら追加しよう。




レシピ

1. リンゴは水洗いし、適当に切って芯を取る。皮はそのままで良いようだ。

2. メイソンジャー1qt に入れる。
というかリンゴが半分くらいしか入らないぞ?



3. SVる。60℃3時間。


4. SV終わったら冷水に入れて10分ほど冷やす



5. 漉す
リンゴはとっとこう。
かなりアルコール含んでるのでこのままじゃきついけど。




6. 完成
確かにリンゴとシナモンの味する。ちょいリンゴ弱いか。
他のスパイスはよく分からん。



sous vide キンダープンシュ

キンダープンシュ

セブンで売ってたホット葡萄ジュースのやつ。
葡萄ジュースにシナモン、クローブ、カルダモンだそうだ。


後で改めてまとめようと思いますが、sous vide の得意料理の一つが infusion です。
これは作れるはず。


材料

ぶどうジュース 500ml弱
シナモンスティック 2本
クローブホール 小さじ1
カルダモンホール 小さじ1


レシピ

1. 材料をメイソンジャー16oz に入れる。



2. SV る。60℃1時間。

3. 漉して完成。

 



ちょっと香り弱いので、クローブを増やしたほうがよさげ。




2016年1月23日土曜日

sous vide 鶏もも~唐揚げ

鶏もものSV+唐揚げ

sous vide で調理した鶏ももの finishing に唐揚げる。

鶏肉は安いのでSV常連なんだけど、味が淡白で飽きやすい。
そこでたまに唐揚げにすると気分転換になって良い感じ。

唐揚げには色々流儀があるけども、中がレアというのは一つの理想形。
SVだと簡単にできちゃいます。
衣はカリッとできないのが難ですが。
まぁ手抜きで唐揚げ粉使っちゃってますし、工夫できそうではある。

揚げの手間削減もメリット。
唐揚げって、いくつか入れて5分ほど待って取り出して熱戻るの待って次、とやりますよね。
二度揚げならさらに大変。
その点SVは一回30秒弱でさくさく回していけます。
水槽に入れとく時間があるので総時間は長くなるけどね。


レシピ


1. 一口サイズに切って
2. 唐揚げ粉を付けて
3. 脱気&シール。今回はジップロックで浸水法。

1,2はSV後でも可。







3. SVる。写真省略。
小さいので熱の通りもよかろうと60℃1時間にしました。
ちょっと生ぽかったのでもうちょい伸ばした方がよかったかも。

4. 揚げる。
肉本体は調理済みなので衣付けるだけ。
180℃で20~30秒ほど。お好みの衣の揚げ加減でよろしいかと。
あんま長いと肉に熱が通っちゃって、普通の唐揚げになるので注意。




5. 出来上がり。
ちょっと薄いのは時間短いのと使った唐揚げ粉のせいかと。





中はこんな感じにレアでジューシー。
油切るの手抜きしたのでちょっと油っこい。

写真中、ソースかかってるやつはついでに揚げたカキフライ。